2007年06月26日

特別インタビュー

カクマクシャカに聞く、音楽と社会の関係性
〜“無知の知”から始まる参加型社会〜



国際青年環境NGO A SEED JAPANエコカルプロジェクトは、青森県六ヶ所村にある核燃料再処理工場の問題について、音楽を通じて情報発信するアーティストの一人であるカクマクシャカこと安村磨作紀さん(以下、安村さん)にその想いを語ってもらった。沖縄を音楽活動の拠点に幅広いジャンルの音楽活動を手掛ける彼は、日常生活で自然に「大切だ」と思うことが曲作りに繋がっている。大切だと思う気持ちは人との関係だけでなく、社会や環境への思いにも繋がる、と語った。安村さんの作品の中で、エコカルプロジェクトが注目した曲、それが「無知の知」だ。坂本龍一氏shing02(シンゴツゥー)氏らが参画するSTOP ROKKASHO(ストップ六ヶ所)のサイトに提供した作品である。このサイトに曲を提供しているアーティストの作品には、「放射能」「プルトニウム」などの言葉が出てくるのに対し、安村さんの曲には「無知」という言葉が登場する。


すべては“無知”から始まる

―― 「無知」という言葉を使った背景に、どのような思いがあったのでしょう?
安村 自分にはまだ知らないことが沢山あるのだということを理解し、知っていこうとする姿勢が大切。その想いが「無知の知」になりました。僕はずっと沖縄に住んでいて、基地と沖縄を隔てるフェンスがどちらを向いているのかなど、気にすることもありませんでした。しかし、shing02さんのドキュメンタリーに映っていたユダヤ人の強制収容所の映像を見た時に、沖縄のフェンスも、まるで沖縄を収容しているかのように作られているということに気がついたのです。何かに気づくためには、まず沢山のことを知らなければいけないと思います。

「沖縄米軍基地のフェンスの意味するもの」。安村さんがその解を見出したからこそ、出来上がった作品だという。「いろいろなことは無知から始まるのだ」という気づきが、その後の彼にも影響した。

―― 沖縄米軍基地問題から核燃料再処理工場の問題へと視野を広げていったきっかけは?
安村  僕が住む沖縄では、まだ原子力発電所が設置されていないこともあり、核燃料再処理工場の問題についてあまり知らなかったし、関心も低かったです。でも、知れば知るほど、沖縄米軍基地問題と六ヶ所核燃料再処理工場の問題に共通している部分が多いと思いました。

―― 「無知の知」を作った経緯を教えてください。
安村  以前、以前、shing02さんに「民のドミノ」を色々なとことで紹介していただいたことがあり、何か恩返しをしたいという思いが強くありましたshing02さんや坂本龍一さんが立ち上げた「STOP ROKKASHO」のムーブメントに協力したいと思い、shing02さんのリンクしているサイトや記事などを見て、自分なりの気持ちを作品にしたのが「無知の知」です。


音楽を通して社会問題を考える

安村さんは、社会的メッセージを含んだ曲を特別視しているわけではない。社会的なメッセージを含んだ曲も、普通に売れる音楽シーンを作り出していきたいと語る。1stミニ・アルバム「シャカの掌の惑星(シャカのテノワクセイ)」にもこのスタンスが滲み出ている。

―― 「シャカの掌の惑星」は、社会問題ばかり扱った作品集になっていませんね。
安村  あくまで「音楽」なので、何を本当に歌いたいかが大事です。社会問題も、恋や友情の歌も全て音楽のテーマにするには、重大なトピックだと思います。偏るのではなく、素直なバランスが大切だと思います。

「自分が何を言いたいか」「何を発信したいか」。その想いが先にあって、そこから社会的メッセージを含んだ作品が出てくることもある。社会的メッセージを含んだ作品はとても自然な姿勢の中から生まれたものだと話す。

―― 音楽を通じて、身近な問題の情報が想いとして発信されるわけですね。
安村  僕は、『民のドミノ』も『無知の知』を歌う必要の無い時代が来て欲しいと思っています。なぜなら、これらの曲を歌う必要がなるということは、その曲の対象となっている社会問題が解決したことを意味するからです。

身の周りに起こる社会問題に対するメッセージを聞くことによって、受け手もその状況に気づいたり、考えるきっかけになる。同時に、音楽性でも高く評価されるからこそ音楽シーンの幅が広がっていく。

安村さんが、見つめている音楽は、エコカルプロジェクトの活動と共通する部分が多い。持続可能な社会に想いを馳せることは、とても日常的で自然なこと。何か大切だと思うこと、何かを守りたいと強く感じ、無知でなくなる瞬間、人は動きだせる。そんな参加型社会への一歩をとても力強く予感させた。安村さんの今後の活躍をさらに応援したい。


【カクマクシャカ(安村 磨作紀)プロフィール】
地元・沖縄を中心に活動する音楽家(MC/プロデューサー)。一定のジャンルに拘らず、様々な表現をしていく姿勢は、未だ単独作品が無いにもかかわらず、加藤登紀子やshing02など…世代もジャンルも越えた様々なアーティストとのコラボレーションを生み出している。2006年にはDUTY FREE SHOPP.と供にRISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZOにも出演。ベトナムでの初の海外公演も成功に収めた。公式サイト http://kakumakushaka.com/ 

【インタビューメンバー】
魚住 葉子:A SEED JAPAN エコカルプロジェクト 理事
村上 健太:A SEED JAPAN エコカルプロジェクト メンバー
羽仁カンタ:A SEED JAPAN ごみゼロナビゲーション 理事

【備考】
2007年6月27日(水)沖縄限定発売
カクマクシャカ「シャカの掌の惑星(シャカノテノワクセイ)」
沖縄インディーズシーンの革命児として、常に現場の最前線で活躍してきたカクマクシャカがDUTY FREE SHOPP.とのアルバム「音アシャギ」を経て、待望の1stミニ・アルバムを沖縄限定発売!HIP HOP、ブレイクビーツ、ロックなど様々な要素を飲み込み、加藤登紀子やshing02など世代もジャンルも越えて共感されるその音楽性が遂に明らかに!
7Track入りミニ・アルバム!税込み1.500円
特設サイト、沖縄以外での購入方法についてはhttp://kakumakushaka.com にて
カクマクシャカ氏のindexはコチラ


interview photo.jpg
インタビュアーの魚住・村上と。
中央が安村氏。


☆インタビューを動画でご覧いただけます!

インタビュー前半


インタビュー後半



posted by eCocul at 21:54 | TrackBack(1) | アーティストインタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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